向上心

仕事を教える上で、向上心が無い人にはどう対応して良いものか、本当に悩んでいる。
知りたい、速く作業ができるようになりたい、といった上向きの気持ちが無い人には、何を求めても一緒だと思う。
「なんでそんなに向上心がないの?」と聞きたくなるが、一応のど元でぐっとこらえている。
きっと、のらりくらりとした答えしか返ってこないだろうし。

内面にやる気や情熱を秘めているのに、表にどうやって出したら良いのか分からない、というタイプの人は見ていてすぐに分かる。
やる気がないと見られがちなんですけど…、と悩む人は意外と多いものだ。
しかし、「やる気がありますよ!」と表に見せることも仕事の内だと私は思うので、「最初はアクションでも構わないが、やる気や向上心があるという姿勢を見せるべきだ」と話す。

だってみんな就職活動の面接のときはそうしてきたはずである。
人事が言うことに対して大げさにうなずいたり、手を上げて質問をしてきたり。
本当に興味があることでなくても、爪痕を残すためにそういったアクションを見せてきたはずである。

お客様に対しても、どんなにこちらが忙しい状況でも、「誠心誠意努めます」という姿勢を見せるべきだと思う。
以前飲食店で接客のアルバイトをしているときに自分でそう悟った。
混み合うランチ時、ピザを速く出してくれと言われても焼き時間を短くしてしまうと中まで火が通らない。
「急いでお出しいたします」とお伝えして、通常の時間で出していた。

まるで、”優先して速く出しました”という雰囲気を装えば、向こうは喜んでくださるのだ。
アクションでも良いから向上心がありますよ、と見せてほしい。
これが伝わるのはいったい何月になるのだろうか。

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