アンチエイジング

尊敬していた美容家の女性が今年に入って急逝した。
報道としては小さな話題だったが、この方に影響されていた女性はきっと多くいるだろう。
私もその一人。
整形手術をしたり、ダイエットをしなくても、ガラッと顔は変えられると勇気をもらえたし、確かな変化を感じられた。

「造顔」というカテゴリーを作ったのもこの美容家だろう。
顔の悩みは様々あるが、年齢と共にハリがなくなって重力に逆らえなくなる。
歳を重ねることで鏡を見るのが嫌になるというのを、変えられる方法だ。

具体的にやることは、毎日のマッサージ。
人間は皮の下に筋肉や脂肪、血管やリンパ管が通っている。
滞ったリンパを流したり、脂肪の位置を変えるようにマッサージすることで、顔がみるみる変わるのだ。

下がっていた頬や目尻のラインがキュッと上がる。
硬い質感のクリームを塗ってマッサージをするので、肌にハリが出て、毛穴も引き締まる。
良いことだらけのこの造顔マッサージの本はたちまち大ヒットした。

顔だけでなく、続編として体のマッサージ本も出版された。
顔であろうと体であろうと、一枚の皮でつながっていて、その下に脂肪や筋肉があるのは変わりないこと。
垂れた脂肪を上に上に持ち上げるようにマッサージをしていたら、その形にキープされてくるのだ。
体マッサージに続いて頭皮のマッサージ本も出版された。

頭皮も顔と繋がっているので、マッサージを行うことで血行が促進される。
これだけたくさんの「綺麗になる方法」を世に広めて、まだお若いのにお亡くなりになってしまった。
本を見なくてもマッサージができるほどになったが、たまには本を開いてみようと思う。

忘れてばかりの自分を忘れたい私

最近、頭が本当に老化してきて、自分でもうんざりしてしまいます。
実際に合ったことなのですが、買ったものを忘れてもう一度買ってしまったことです。
幸い片栗粉だったので、賞味期限も長く、損した気持ちはなかったのですが、買っていたことを忘れた自分にショックを受けました。

その話をすると叔母がもっとすごいことを言ったのです。
「こないだ、眼鏡を探していたんだけど、ふとした瞬間何を探しているのか分からなくなったんだよ。」
私は絶句でした。
まだ60代の叔母がそんなことを言っているのです。
忘れていたことを忘れてしまう…そんな日常だったらすごく大変だろうなと想像してしまった私。
そんなことがあった数日後、今度は息子の食べ終わって持ち帰ってきたお弁当箱がないのです。
とても探したのですが無くて、息子に謝って前に使っていた少し小さめのお弁当を持たせました。
それでも気になって探していたのですが、食器棚にもなく、いつも片付けておくお弁当箱をしまう箱の中にもないのです。
もう諦めかけ、自分の昼ご飯を何にしようか冷蔵庫を開いた時です。
息子のお弁当箱があるのです。
蓋をあけると空っぽで綺麗になっているお弁当箱。
洗った後、拭いて私は冷蔵庫に入れてしまったのでしょうか。
全く自分の記憶にはありません。
こんな自分にため息が出るとともに、また忘れないようにとすぐにお弁当箱入れにしまいました。
こんな毎日の連続な私はそのうち、叔母の様に忘れたことも忘れてしまうのかも知れないと思うと、むしろそちらの方が自分が傷つかずに済むのではないのか…と思ってしまいました。

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